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Nature 460, 632-636 (30 July 2009)
Presenilins are essential for regulating neurotransmitter release

プレセニリン変異は家族性アルツハイマー病の主な原因で、プレセニリン活性の欠損やアミロイドβの蓄積がシナプスを傷害し、アルツハイマー病理につながると考えられている。
しかし具体的にどうシナプス障害が起こるのかよくわかっていなかった。

筆者らは遺伝学的に前シナプス(CA3)あるいは後シナプス(CA1)の神経細胞においてコンディショナルにプレセニリンを不活性化した。すると前シナプスでプレセニリンを欠落させた場合にのみLTP減少、シナプス可塑性も変化。
open-channel NMDA (N-methyl-d-aspartate) 受容体のアンタゴニストである MK-801を使ってグルタミン酸の放出を測定→前シナプスでプレセニリン不活性化のときのみ減少。
ほかにも、ER内Ca2+貯蓄をなくすthapsigarginや、貯蓄からの放出を阻害するリアノジン受容体阻害剤などで、前シナプスプレセニリン不活性化と似たような現象が起きた。

つまりプレセニリンは何をしているのかというと、「前シナプスで細胞内Ca2+放出をmodulate→活性依存的な神経伝達物質の放出の制御」ということのようです。
筆者らはアルツハイマー病の早期の病理として、前シナプスの障害があるのではないかと言っていました。
by 5-gekkostate-3 | 2009-07-31 20:23 | 論文

動物の社会性行動を研究中。実験の待ち時間に書きます。


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