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木曜日

セミナーで良い質問ができるように、ただ漫然と読むのではなくて書評というか、コメントを書いてみます。

the liprin protein SYD-2 regulates the differentiation of presynaptic termini in C. elegans

nature vol401 23 sep 1999

シナプスではpre/ post双方の細胞表面下でspecializeされた構造体がつくられる。
presynapticな先端にはactive zoneと呼ばれる電子密度の高い構造体があって、vesicleのドッキングや放出を行う。このactive zoneは何で構成されているのか、どのようにしてできるのかなど明らかになっていない。

研究グループは線虫のsyd-2変異体を解析したところ、いくつかのpresynapticタンパクやGFP markerの局在が分散してしまった。(そもそもsynaptobrevinの線虫ホモログ::GFPのスクリーニングでsyd-2がとれてきた)
 →syd-2 mutantのactive zoneは長く伸びる(電顕)
 →しかし、1シナプスあたりのvesicle数は野生型と変わらない
 →synaptic transmissionはややimpaired

syd-2遺伝子産物はliprinと相同性が高い。
liprinはRPTR(recptor proteins with tyrosine phophatase activity)という蛋白質と相互作用する。
SYD-2蛋白質はvesicleの存在と関係なくpresynaptic terminiに局在、cell autonomousに機能発揮。

SYD-2の機能は「シナプスにおけるRPTPシグナリングの細胞内アンカーとして、active zoneを形成する」ことなのではないか?と主張。



SYD-2というタンパクが見つかった初めての報告か。syd-2 mutantで見られたSNB-1::GFPの分散した構造をどう解釈するか?vesicle distributionそのものが変化してしまったのか、SNB-1::GFPとplasma membraneとのassociationが変化してしまったのか。
ただtransmissionがおかしくなっているのでvesicleがあってもactive zoneの形成に不具合が生じているのは確か。
あとRPTPというのを全然しらなかったのでピンと来ませんが、どうもこの時点ではくわしくわかってなさそうでした。

うわーすごい時間かかってしまった。これは続かなさそう・・・
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by 5-gekkostate-3 | 2009-10-15 23:38 | 論文

読み会(二人目)

Killers、かっこ良い。いまさらですが。


SYD-1, a presynaptic protein with PDZ, C2 and rhoGAP-like domains, specifies axon identity in C. elegans
Nature Neuroscience 5, 1137 - 1146 (2002)

発生期の神経においてaxon/dendriteがどう決定されるのか、という話だと思います。
線虫はよくわからない・・・

 神経軸策のidentityは神経前終末側の特殊化(specialization、ピンとこない言葉)によって決定される。
 C.elegansのsyd-1遺伝子のloss-of-function変異
→GABA陽性のMNにおいて、axon限定なはずの「神経前終末側の特殊化」がdendriteでも起こってしまった。(発生初期)
→しかし発生後期における極性転換?(polarity respecification)にはsyd-1は必要ではない

あとは機能発揮に必要なドメイン探し。
 SYD-1タンパクはPDZ, C2, rho-GAP-likeドメインをもち、mature neuronでは神経前終末に局在。
 rhoGAPドメインを欠いたSYD-1→neurite outgrowth/guidanceを阻害。

syd-1は極性の獲得時におけるaxon identity決定に関わるのではないか。



abstractだけ訳しても何が何だかわからないけれど。
あとこれもおもしろそうだった。ゼブラフィッシュのstudyぽい。
Nature Neuroscience 4, 1093 - 1101 (2001) Visualizing synapse formation in arborizing optic axons in vivo: dynamics and modulation by BDNF
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by 5-gekkostate-3 | 2009-10-13 23:21 | 論文

読み会

Rapamycin activation of 4E-BP prevents parkinsonian dopaminergic neuron loss
Nature Neuroscience 12, 1129 - 1135 (2009)

パーキンソン病の話。
常染色体劣性のパーキンソニズムはPINK1やPARK2の変異によって引き起こされ、ドパミン神経の脱落などがその特徴である。

研究グループは、治療につながりそうなpathwayを探すためDrosophila parkとPink1と遺伝学的にリンクしているファクターを同定した。
→translation inhibitorであるThor (4E-BP)がみつかった
→Thor の過剰発現により病理を反映するphenotypeがすべて抑制された(ハエ)

4E-BPはTOR inhibitorであるrapamycin (TOR =Target Of Rapamycin)により活性化
→Pink1変異体やpark変異体のpathologyをある程度抑制(ハエ)、
→PARK2変異をもつ患者由来の細胞においてミトコンドリアの障害も改善

話は変わって、「4E-BPはLRRK2優性変異により抑制される」ことを受けて
LRRK2 ハエホモログのknock down?→4E-BPが活性化、Pink1変異体やpark変異体のpathologyも抑制できた

4E-BPをうまく調節してやればパーキンソニズムの治療に使えるかもしれない。
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by 5-gekkostate-3 | 2009-10-13 22:43 | 論文

動物の社会性行動を研究中。実験の待ち時間に書きます。


by 5-gekkostate-3

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