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CCM2 Mediates Death Signaling by the TrkA Receptor Tyrosine Kinase

ひさしぶりにちゃんと一本読んだ。

CCM2 Mediates Death Signaling by the TrkA Receptor Tyrosine Kinase
Neuron, Volume 63, Issue 5, 585-591, 10 September 2009

NGFの受容体にはTrkAとp75があって、p75がもっぱら神経細胞死をひきおこすと考えられていた。
しかし、近年TrkAも細胞死をひきおこすことがわかった。そのメカニズムは不明だった。

レポータースクリーニング(だったか)の結果CCM2という、脳形成の異常に関連する遺伝子産物がTrkAと相互作用してNGF-dependentなapoptosisをひきおこすことが明らかになった。
さらに欠損体やmutantを用いて、TrkA/CCM2のどの部位が結合に必要で、どの部位が細胞死シグナリングに関係するのかを調べた。
その結果、CCM2はTrkAの膜近傍のphosphotyrosine binding domain (PTB)を介して結合していることがわかった。さらにPTB domainはTrkAと特異的に相互作用するのに必須で、Karet domain (CCM2のもうひとつのsubdomain)は細胞死のシグナル経路につながっていることがわかった。

最後に、ヒト髄芽腫や神経細胞芽腫といった小児癌由来の細胞でCCM2とTrkAを導入するとその細胞の生存率が低下する(たくさん死ぬ)ことがわかった。
これに関連して、じっさいの神経細胞芽腫の患者において、CCM2/TrkAの発現レベルと患者の生存率の関係を調べてみた。統計調査の結果、CCM2/TrkAの発現レベルが高いと生存率が高まることがわかった。(このへんうろ覚え)


ということでスクリーニングから始まりシグナリングを明らかにして細胞、さらにヒトへ、とかなり盛りだくさんでした。
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by 5-gekkostate-3 | 2009-09-26 01:03 | 論文

BDNF関連

Neuronal release of proBDNF
Nature Neuroscience 12, 113 - 115 (2009)

proBDNFと成熟したBDNFは異なる受容体と結合する。これにより、多様な神経活動を可能にしている。
内因性BDNFのisoformを定量する技術を利用して、マウスのニューロン(どのニューロン?)はproBDNFとmatureBDNFの両方を分泌(secrete)することが分かった。
proBDNFとp75の発現レベル(?)はperinatalの時期にもっとも高く、その後adultでは減少するが依然として検出は可能という。
このことから、BDNFの活動は「proBDNFあるいはmature BDNFの分泌」、「p75やTrkBのローカルな発現」により制御されていることが明らかになった。

うーん。アブストだけ読んでもどういう実験をしているのかイメージできない…。
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by 5-gekkostate-3 | 2009-09-06 09:42 | 論文

APPの生理機能

最近の話題。

Presynaptic and Postsynaptic Interaction of the Amyloid Precursor Protein Promotes Peripheral and Central Synaptogenesis
The Journal of Neuroscience, September 2, 2009, 29(35):10788-10801

アルツハイマー病(AD)におけるAPPの役割は知られているが、APPの生理的な機能は良く分かっておらず、議論が続いている。
研究グループは以前、「APPはneuromuscular synapseを媒介し発達させるのに必要である」という報告をしている。今回はAPPをpresynaptic motor neuronあるいはpostsynaptic muscleコンディショナルに欠損させたマウスを作出し、 これらのalleleをAPLP2-null backgroundに掛け合わせた(いずれかでレスキューされることを期待)。
予想外にも、pre/postいずれの部位においてAPPを不活性化しても germline deletionに似たneuromuscular synapseの障害が見られ、postsynapticのAPPはhigh-affinityコリントランスポーターのpresynaptic targetingやsynaptic transmissionに必須であることがわかった(?)。HEK293細胞と海馬由来の初代培養神経細胞とのmixed-cultureアッセイを用い、HEK293細胞にAPPを発現させると、HEK293細胞とcontactしている軸索でsynaptogenesisが促進されることがわかった。 さらにこの活動は神経側のAPPに依存し、APPの細胞外・細胞内どちらの領域も必要であることも明らかになった。APPの細胞内領域はMint1やCaskと複合体を形成し、対応するSynCAM配列でも代替可能だった。
これらのvitroやvivoの研究成果により、APPがシナプス接着分子(adhesion molecule)であることが明らかになった。研究グループは、transsynapticなAPPの相互作用がシナプスの機能を調節しており、APPの接着分子としての機能が阻害されることがシナプス障害やAD病理につながるのではと主張している。
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by 5-gekkostate-3 | 2009-09-04 23:34 | 論文

動物の社会性行動を研究中。実験の待ち時間に書きます。


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